Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Leggi かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.006 caratteri · 182 schermate

Aozora Bunko

「崇拝はせんよ、勲章を佩げた鴨をつかまえんじゃ、大きな実業家にはなれやせん。知己は、上に求むべきものさ。たとえば、将来おまえのお聟を探すにしても」

「わたし、勲章を下げた人、嫌いだわ」

「そうとも、お金持の方が、遥かにええ」

「金持なんか、なお嫌い」

「じゃ、貧乏人になりたいのか」

「働く人が好き。ねエ、おばさん、船渠へ行ってみて、わたし初めて、金持の悲哀を知ったわ、あの、汗みどろになった職工の顔や、ハンマーの音を聞いてさえ、物が美味しく食べられそうな気がしやしない?」

「ま、変っているのね、奈都子さんは。わたしは、気持がわるくって、しじゅう鼻を抑えていたほどなのに」

「それみろ、あんな所へ連れて行くから、すぐペスト菌にたかられて来おる。それよか、ぼつぼつ支度をしなさい」

「千歳は、お見合せになったんでしょう」

「わしにも、招待状が来ておるから、グランドホテルの方へ出席してみよう、大隈伯にも、そんな場所で顔を知って戴いてからの方が都合がええ、――槙も、おまえも、うんと盛装せい、伯は派手好きじゃという話だから」

各の朝湯と化粧に、三時間ぐらい費やされた。首だけ粧ったところで、万珍楼の支那料理をとって昼食がすむ。