Classici giapponesi con furigana
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かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
Leggi かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.006 caratteri · 182 schermate
「木刀お巡査に任して、安心していられるもんかい。――やい、そこにいる女! てめえッちも、そうだぞ。礼なんか欲しかあねえが、あんなに、ベソを掻いていた品物を取返してやっても、おれに、有難うとも言わなかったじゃねえか。ほんとなら、てめえたちが頼んでも、亀田さんを貰い下げしてくれるのが、あたりめえだろう」
「…………」
「やい、何とか言えよ、何とか」
「…………」
「らしゃめん奴」
「…………」
「それでいいのか。それでいいのか。そいつをきょうは聞きてえんだ。その返事次第で、こっちも宣戦布告をするからな。やい、何とか言えよ」
その時、トム公のからだは、後ろから大きな手に抱き込まれて、フワリと馬丁台からかかえ降ろされた。馬車は、いつのまにか、ピタリと止まっていたのである。
「やっ、いけねえッ」
トム公は、足を宙にバタバタさせながら、水上警察署の青い瓦斯燈を見た。馬車はその門の中へ、半分はいっていた。馭者は、石段の上の扉を半分押して、内部の巡査へ応援をさけんでいる。
「こんちょろチビ奴。餓鬼の分際しおッて、本官に、反抗しちょるかッ、こらッこらッ、来いッちゅうに」
トム公の首根っこを抱き締めて、勇猛に引き摺り込んで来た木刀の巡査は、石段の前まで来ると、