Classici giapponesi con furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Leggi それでも私は行く (それでもわたしはいく) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.708 caratteri · 181 schermate
「いやよ、お世辞なんかいって、あなたらしくないわ」
「いや、お世辞じゃないよ。――ところで、望月のやつは思わずどきんとしたまでは判ったが、それからどうなったの……?」
「それからが問題なのよ」
と、弓子は声を弾ませた。
鶴雄はちょっと緊張した。
「――どきんとして、まず手を離したのよ」
「それから……?」
「望月のやつ、ばつの悪そうに暫らくもじもじしていたけど、いきなり、じゃまたあとで……と言って、あたしの部屋を出て行ったのよ」
「あはは……。じゃまたあとで……はよかったね」
「どうせ、あたしの秘密握っているので、いつでも誘惑する機会はあると思ったんでしょうね」
「ふーん。ちょっと薄気味悪いね」
と、鶴雄が言うと弓子は、
「なアに平気よ」
と、澄ましていた。
「で、望月は部屋を出て行って、それきり……?」
「いいえ、それからが問題なのよ」
「一難去ってまた……?」
「いいえ、その逆よ」
と、弓子はにやりと笑った。
「望月に電話が掛って来たのよ」
「誰から……」
「小郷虎吉のワイフ、真紀子夫人……」
「ああ」
なるほどと、鶴雄は「そろばん屋」で電話を借りていた女のことを思い出した。