Classici giapponesi con furigana
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へちまのき
へちまの木
山本 周五郎
Leggi へちまの木 (へちまのき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.120 caratteri · 58 schermate
「お願いです西川さん」と木内はまた三度おじぎをした、「どうかいますぐにそうはしないで下さい、せめてあと半年でも待って下さい、そうすれば私がきっとお役に立つ、ということがわかると思います」
「おきなはれ」とちょび髭を撫でながら文華が云った、「なんぼ云うたかてきめたことはきめたこっちゃ、ここでむだな口をきくより、もっと月手当を多く出してくれるとこを捜して、ねっちりうまいこと云わはるがええと思いまんがな」
木内桜谷は黙り、両手を突き頭を垂れた。いつか木内や、刷り部屋の二人が、手当の値上げだと叫んだ。そして夫婦喧嘩で、文華は廊下へとびだし、平ぐものように頭をすりつけてあやまるのを、このおれに見られた。それらの仕返しをしようというんだな、と房二郎は思った。そのとき、ちょび髭が房二郎に振り向き、歯をみせて皮肉に笑った。
「房やんには手当もろくに出さなんで、ほんま済まなんだな」と文華は云った、「悪う思わんといてや」
房二郎のがまんはそこで切れた。彼は立ちあがるなり、自分より五寸も低い文華の衿を左手で掴み、右手で頬へ平手打ちをくれた。
「手当はこっちから呉れてやる」と房二郎はまた平手打ちをくれた、「きさまを人間だと思ったら、こんなことで済ませやあしないんだぞ、よく覚えておけ」