Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いーはとーぼのうがっこうのはる

イーハトーボ農学校の春

宮沢 賢治

Leggi イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.726 caratteri · 120 schermate

Aozora Bunko

おらも弁当食うべ。ああ心配した。俺も虎こ山の下まで行って見で来た。はあ、まんつ好がった。雨も晴れる。」

「今朝ほんとに天気好がったのにな。」

「うん。また好ぐなるさ。あ、雨漏ってきた。草少し屋根さかぶせろ。」

兄さんが出て行きました。天井がガサガサガサガサ云います。おじいさんが、笑いながらそれを見上げました。

兄さんがまたはいって来ました。

「おじいさん。明るぐなった。雨あ霽れだ。」

「うんうん。そうが。さあ弁当食ってで草片附げべ。達二。弁当食べろ。」

霧がふっと切れました。陽の光がさっと流れて入りました。その太陽は、少し西の方に寄ってかかり、幾片かの蝋のような霧が、逃げおくれて仕方なしに光りました。

草からは雫がきらきら落ち、総ての葉も茎も花も、今年の終りの陽の光を吸っています。

はるかの北上の碧い野原は、今泣きやんだようにまぶしく笑い、向うの栗の木は、青い後光を放ちました。