Classici giapponesi con furigana
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いーはとーぼのうがっこうのはる
イーハトーボ農学校の春
Leggi イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.726 caratteri · 120 schermate
役人どもはだんだん向うの方へはんの木の間を歩きながらずいぶんしばらく撒いていましたが俄かに一人が云いました。
「おい、失敗だよ。失敗だ。ひどくしくじった。君の袋にはまだ沢山あるか。」
「どうして? 林がちがったかい。」も一人が愕いてたずねました。
「だって君、これは何という木かしらんが、栗の木じゃないぜ、途方もないとこに栗の実が落ちてちゃ、ばれるよ。」
も一人が落ちついた声で答えました。
「ふん、そんなことは心配ないよ、はじめから僕は気がついてるんだ。そんなことまで何のかんの云うもんか。どっから来たろうって云ったら風で飛ばされて参りましたでしょうて云やいいや。」
「そんなわけにも行くまいぜ。困ったな、どこか栗の木の下でまこう。あ、うまい、こいつはうまい。栗の木だ。こいつから落ちたということにすりゃいいな。ああ助かった。おい、ここへ沢山まいておこう。」
「もちろんだよ。」
それからばらっばらっと栗の実が栗の木の幹にぶっつかったりはね落ちたりする音がしばらくしました。私どもは思わず顔を見合せました。もう大丈夫役人どもは私たちを殺しに来たのでもなく、私どもの居ることさえも知らないことがわかったのです。