Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
ネコはキャッと叫んで遁走する。十日間ほどその行事を続けたら、ネコはもう孫の手を見ただけで、さっと逃げて行くようになりました。外出する時でも、孫の手を鴨居から並べてぶら下げて置くと、ネコはそれをおそれて僕の部屋には入ってこないようです。
長々とおしゃべり致しましたが、昨年春から現在にいたる悪戦苦闘のかずかずは、以上の如くほんとに涙なくしては語れません。現在とても、最後的破局が明日来るか、一週間以後に来るか、あるいは現在のにらみ合いの状態がまだえんえんと続くか、皆目見当もつかない有様です。全くおかしなものですねえ。僕ら二人は同じ被害者であり、現在でもある意味では同じ脅威にさらされているわけなのに、二人の努力はその脅威を取りのぞいて平和を取戻す方向にはむけられず、お互いを傷つけ合うことばかりにそそがれているのです。たとえば不破数馬が奄美大島において権利書を第三者に転売したらどうなるか、そして万一差押えのやりくりがうまく行かなかったらどうなるか、僕ら二人は風の前の塵の如く、第三者によってもろにこの家から追い出されてしまうでしょう。僕ら二人はお互いに対しては意地を張って頑強にねばるが、もともと二人ともひとりよがりの世間知らずなので、他人に対しては全然無抵抗と言っていいほど弱いのです。