Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

Leggi ポラーノの広場 (かぜのまたさぶろう) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 67.062 caratteri · 135 schermate

Aozora Bunko

びっくりして跳ね起きて見ましたら外ではほんとうにひどく風が吹いてうしろの林はまるで咆えるよう、あけがた近くの青ぐろいうすあかりが障子や棚の上の提灯箱や家中いっぱいでした。

一郎はすばやく帯をしてそれから下駄をはいて土間に下り馬屋の前を通って潜りをあけましたら風がつめたい雨のつぶと一緒にどうっと入って来ました。馬屋のうしろの方で何かの戸がばたっと倒れ馬はぶるるっと鼻を鳴らしました。

一郎は風が胸の底まで滲み込んだように思ってはあと強く息を吐きました。そして外へかけ出しました。

外はもうよほど明るく土はぬれて居りました。家の前の栗の木の列は変に青く白く見えてそれがまるで風と雨とで今洗濯をするとでも云うように烈しくもまれていました。青い葉も二三枚飛び吹きちぎられた栗のいがは黒い地面にたくさん落ちて居りました。

空では雲がけわしい銀いろに光りどんどんどんどん北の方へ吹きとばされていました。

遠くの方の林はまるで海が荒れているようにごとんごとんと鳴ったりざあと聞えたりするのでした。一郎は顔や手につめたい雨の粒を投げつけられ風にきものも取って行かれそうになりながらだまってその音を聴きすましじっと空を見あげました。