Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いっすんぼうし

一寸法師

江戸川 乱歩

Leggi 一寸法師 (いっすんぼうし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.475 caratteri · 194 schermate

Aozora Bunko

「ねえ、兄さん、この人形はおかしいよ。右の手と左の手と、まるで色が違っているんだもの、この作者は下手だねえ」

一方の小学生が人形の作者を批評した。

「生意気おいいでないよ」兄の方は周囲の見物達に気を兼ねて弟をたしなめた。「御覧よ。あの手提を提げている方の手なんか色は少し悪いけど、細工が実に細かく出来ているじゃないか。この作者は決して下手じゃないんだよ」

「だって、右と左であんなに感じが違っちゃつまらないや。そりゃ、細工は細かいけど……でも、やっぱり変だな、右の手は小さな皺が一本一本書いてあるのに、左の手は五本の指がある切りで、皺なんか一本もない、のっぺらぽうだよ……それから右の手には生毛だって生えているんだし……アラ、アラ、兄さん、あれ本当の人間の手だよ。何だかプヨプヨしているよ。ね、あの指環があんなに食い入っているだろう。きっと死人の手だよ」

彼は思わぬ発見に息をはずませて、叫ぶ様にいうのであった。「死人の手」という一言は、人形の衣裳や容貌ばかりに見入っていた見物達の目を、一せいにその問題の手首へと移らせた。その不気味なものは一番若いお梅人形の右の袖口からのぞいていた。