Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

非常に窮屈だ。まるで不具にでも生まれたようなものである。けれども……

三四郎は急に気をかえて、別の世界のことを思い出した。――これから東京に行く。大学にはいる。有名な学者に接触する。趣味品性の備わった学生と交際する。図書館で研究をする。著作をやる。世間で喝采する。母がうれしがる。というような未来をだらしなく考えて、大いに元気を回復してみると、べつに二十三ページのなかに顔を埋めている必要がなくなった。そこでひょいと頭を上げた。すると筋向こうにいたさっきの男がまた三四郎の方を見ていた。今度は三四郎のほうでもこの男を見返した。

髭を濃くはやしている。面長のやせぎすの、どことなく神主じみた男であった。ただ鼻筋がまっすぐに通っているところだけが西洋らしい。学校教育を受けつつある三四郎は、こんな男を見るときっと教師にしてしまう。男は白地の絣の下に、鄭重に白い襦袢を重ねて、紺足袋をはいていた。この服装からおして、三四郎は先方を中学校の教師と鑑定した。大きな未来を控えている自分からみると、なんだかくだらなく感ぜられる。男はもう四十だろう。これよりさきもう発展しそうにもない。