Classici giapponesi con furigana
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さんしろう
三四郎
Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate
男はしきりに煙草をふかしている。長い煙を鼻の穴から吹き出して、腕組をしたところはたいへん悠長にみえる。そうかと思うとむやみに便所か何かに立つ。立つ時にうんと伸びをすることがある。さも退屈そうである。隣に乗り合わせた人が、新聞の読みがらをそばに置くのに借りてみる気も出さない。三四郎はおのずから妙になって、ベーコンの論文集を伏せてしまった。ほかの小説でも出して、本気に読んでみようとも考えたが、面倒だからやめにした。それよりは前にいる人の新聞を借りたくなった。あいにく前の人はぐうぐう寝ている。三四郎は手を延ばして新聞に手をかけながら、わざと「おあきですか」と髭のある男に聞いた。男は平気な顔で「あいてるでしょう。お読みなさい」と言った。新聞を手に取った三四郎のほうはかえって平気でなかった。
あけてみると新聞にはべつに見るほどの事ものっていない。一、二分で通読してしまった。律義に畳んでもとの場所へ返しながら、ちょっと会釈すると、向こうでも軽く挨拶をして、
「君は高等学校の生徒ですか」と聞いた。
三四郎は、かぶっている古帽子の徽章の痕が、この男の目に映ったのをうれしく感じた。