Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Leggi 五瓣の椿 (ごべんのつばき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.721 caratteri · 296 schermate

Aozora Bunko

「ではちょっとお待ち下さい」

与助は出ていった。

そこでまたおはなが饒舌り始めた。こんどは身の上話で、別れた亭主のことや里子にやってある小さい娘のこと、いくら稼いでも帯一本買うゆとりもない、などというぐち話をしたあと、これがもし本当にあの女だとわかったら、お上からなにか褒美でもあるのだろうか、などと云いだした。

青木千之助は不愉快そうに、眉をしかめておはなを見た。こいつ褒賞がめあてで訴人したのか、と思ったのであるが、そうだとするとその女は怪しい。蝶太夫を殺した女だ、ということはうっかり信じられないぞ、と千之助は思った。

「もし本当にこれが下手人だったら、幾らか御褒美がさがるかもしれない」と彼はおはなに答えた、「けれども、もしまったくの人違いで、そんな疑いをかけられるような女でないとすると、お上に手数をかけ、罪のない人間に迷惑をかけたことで、きびしいお咎めがあるかもしれないぞ」

おはなの口があき、黄色くて大きな前歯があらわれた、「そんな、――」と彼女は吃った、「だってそんな、あたしはただお上のお役に立つつもりで、せっかくの休みに寄席へゆくのもやめて、こうやってなにしてるんですのに」