Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Leggi 五瓣の椿 (ごべんのつばき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.721 caratteri · 296 schermate

Aozora Bunko

「まったくだ」と米八が云った、「どうも話がどことなくへんだよ、十七やそこらのお嬢さんが、根岸の古梅庵へめしを喰べにゆくというのもおかしいし、瓦町の家を知ってるとすれば、若旦那がどんな人かということもわかっている筈だ、そうじゃありませんか、姐さん」

「あたしもそれを考えていたのよ」とおまさが頷いた、「男ぶりはいいけれど、もう年が年だしねえ、あのとおり底抜けの道楽者に、たいまいな持参金付きで、そんな大家の箱入り娘が自分から嫁にゆきたがるなんて、――話どおりだとすればあたりまえじゃあないと思うわ」

「あの人はさんざんあくどいことをしましたからね」と菊弥が云った、「もしかするとその娘というのは人間じゃあなく、怨霊のようなものかもしれないわ」

「いやいや」と松次が遮った、「お願いだからそんな話やめて」

「おや松次さん」とおまさが松次のうしろを指さした、「おまえさん背中になにを背負ってるのさ」

きゃあといって松次がとびあがった。

そのとき袖垣をまわって、下足番の老人が一人の男を案内して来た。男は三十がらみで、木綿縞の袷に半纒を重ね、尻端折りで、股引に麻裏をはいていた。