Classici giapponesi con furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Leggi 五瓣の椿 (ごべんのつばき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.721 caratteri · 296 schermate
――父のことで母に云ってやらなければならないこともある。
おまさには暇をやろう。おしのはそう考え、酒や肴が届くとすぐ、「あとはあたしがするから、子供のところへ帰っておやり」と云った。本所の業平におまさの弟がおり、彼女はそこに子供を預けてあった。時刻はおそくなったが、正月の暇をやるからと云って、子供の土産でも買ってゆくようにと、幾らかを紙に包んで渡した。おまさはよろこんで、着替えもせずに出ていった。
――勘づいたな。
こんな夕方になってから、どうして暇を呉れたか、おまさは勘づいていた、とおしのは思った。よろこんだようすにも、着替えもしないで出ていったそぶりにも、それがよくあらわれていたように思え、おしのは恥ずかしさと屈辱とで、躯の中が熱くなった。――酒肴をはこぶあいだにも、母は菊太郎をひきよせて、旅であった面白い話や、たのしかったことなどを、うきうきと語りあい、笑いあっていた。
「あんたもおはいんなさい」炬燵の上に支度ができると、おそのはあまえたような声で娘に云った、「長火鉢をちょっと寄せれば、坐ったままでお燗ができるでしょ」
「あたし炬燵は嫌いなの」