Classici giapponesi con furigana
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えせものがたり
似而非物語
山本 周五郎
Leggi 似而非物語 (えせものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.817 caratteri · 64 schermate
六
「どこもなにも、おまえさんは大先生だ、神さまみてえに強い剣術つけえだに、おら薪ざっぽ一つふりまわすこともできねえ、そらおまえさんむちゃなこんだよ」
「いや、そのことなら心配は無用」
飯篠老人が遮った。老人は自分の発案に昂奮していた。それは、自分が本心から名利を捨てようとしていることを、杢助に証明し、あわせて、修業者たちがその欺瞞を看破(どうして看破しないことがあろう)して、なおどれだけ自分を求め、自分を慕って来るかという、衆望の熱度を知ることができるのであった。
「そのことなら断じて」
と老人は云った。
「わしを訪ねて来るほどの者は、みな一流に達した人間である、木剣を持って打合うとか、手を取って教えるなどということは決してない」
六
杢助は信じかねるように、きせるを投げ、紙を取って、口の中に煙脂が溜まったらしい、べろっと舌を出して拭いて、それから唾を吐いた。飯篠老人は断言した。その断言によると、杢助はなにもしないでいいのであった。修業者たちは掃除をし水を汲み、煮炊きをしてくれる。こちらが横になれば、夏なら蚊を追ってくれる者があるし、寒ければすぐ寝衾を掛けてくれる。