Classici giapponesi con furigana
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しゅんかん
俊寛
Leggi 俊寛 (しゅんかん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.263 caratteri · 33 schermate
御主人は早速燈台の光に、御消息をおひろげなさりながら、ところどころ小声に御読みになりました。
「……世の中かきくらして晴るる心地なく侍り。……さても三人一つ島に流されけるに、……などや御身一人残り止まり給うらんと、……都には草のゆかりも枯れはてて、……当時は奈良の伯母御前の御許に侍り。……おろそかなるべき事にはあらねど、かすかなる住居推し量り給え。……さてもこの三とせまで、いかに御心強く、有とも無とも承わらざるらん。……とくとく御上り候え。恋しとも恋し。ゆかしともゆかし。……あなかしこ、あなかしこ。……」
俊寛様は御文を御置きになると、じっと腕組みをなすったまま、大きい息をおつきになりました。
「姫はもう十二になった筈じゃな。――おれも都には未練はないが、姫にだけは一目会いたい。」
わたしは御心中を思いやりながら、ただ涙ばかり拭っていました。
「しかし会えぬものならば、――泣くな。有王。いや、泣きたければ泣いても好い。しかしこの娑婆世界には、一々泣いては泣き尽せぬほど、悲しい事が沢山あるぞ。」
御主人は後の黒木の柱に、ゆっくり背中を御寄せになってから、寂しそうに御微笑なさいました。