Classici giapponesi con furigana
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しゅんかん
俊寛
Leggi 俊寛 (しゅんかん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.263 caratteri · 33 schermate
三
三
その夜わたしは結い燈台の光に、御主人の御飯を頂きました。本来ならばそんな事は、恐れ多い次第なのですが、御主人の仰せもありましたし、御給仕にはこの頃御召使いの、兎唇の童も居りましたから、御招伴に預った訳なのです。
御部屋は竹縁をめぐらせた、僧庵とも云いたい拵えです。縁先に垂れた簾の外には、前栽の竹むらがあるのですが、椿の油を燃やした光も、さすがにそこまでは届きません。御部屋の中には皮籠ばかりか、廚子もあれば机もある、――皮籠は都を御立ちの時から、御持ちになっていたのですが、廚子や机はこの島の土人が、不束ながらも御拵え申した、琉球赤木とかの細工だそうです。その廚子の上には経文と一しょに、阿弥陀如来の尊像が一体、端然と金色に輝いていました。これは確か康頼様の、都返りの御形見だとか、伺ったように思っています。
俊寛様は円座の上に、楽々と御坐りなすったまま、いろいろ御馳走を下さいました。勿論この島の事ですから、酢や醤油は都ほど、味が好いとは思われません。が、その御馳走の珍しい事は、汁、鱠、煮つけ、果物、――名さえ確かに知っているのは、ほとんど一つもなかったくらいです。