Classici giapponesi con furigana
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しゅんかん
俊寛
Leggi 俊寛 (しゅんかん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.263 caratteri · 33 schermate
二
一体琵琶法師などと云うものは、どれもこれも我は顔に、嘘ばかりついているものなのです。が、その嘘のうまい事は、わたしでも褒めずにはいられません。わたしはあの笹葺の小屋に、俊寛様が子供たちと、御戯れになる所を聞けば、思わず微笑を浮べましたし、またあの浪音の高い月夜に、狂い死をなさる所を聞けば、つい涙さえ落しました。たとい嘘とは云うものの、ああ云う琵琶法師の語った嘘は、きっと琥珀の中の虫のように、末代までも伝わるでしょう。して見ればそう云う嘘があるだけ、わたしでも今の内ありのままに、俊寛様の事を御話しないと、琵琶法師の嘘はいつのまにか、ほんとうに変ってしまうかも知れない――と、こうあなたはおっしゃるのですか? なるほどそれもごもっともです。ではちょうど夜長を幸い、わたしがはるばる鬼界が島へ、俊寛様を御尋ね申した、その時の事を御話しましょう。しかしわたしは琵琶法師のように、上手にはとても話されません。ただわたしの話の取り柄は、この有王が目のあたりに見た、飾りのない真実と云う事だけです。ではどうかしばらくの間、御退屈でも御聞き下さい。
二
わたしが鬼界が島に渡ったのは、治承三年五月の末、ある曇った午過ぎです。