Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゅんかん

俊寛

芥川 竜之介

Leggi 俊寛 (しゅんかん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.263 caratteri · 33 schermate

Aozora Bunko

「抱いていた児も少将の胤じゃよ。」

「なるほど、そう伺って見れば、こう云う辺土にも似合わない、美しい顔をして居りました。」

「何、美しい顔をしていた? 美しい顔とはどう云う顔じゃ?」

「まあ、眼の細い、頬のふくらんだ、鼻の余り高くない、おっとりした顔かと思いますが、――」

「それもやはり都の好みじゃ。この島ではまず眼の大きい、頬のどこかほっそりした、鼻も人よりは心もち高い、きりりした顔が尊まれる。そのために今の女なぞも、ここでは誰も美しいとは云わぬ。」

わたしは思わず笑い出しました。

「やはり土人の悲しさには、美しいと云う事を知らないのですね。そうするとこの島の土人たちは、都の上臈を見せてやっても、皆醜いと笑いますかしら?」

「いや、美しいと云う事は、この島の土人も知らぬではない。ただ好みが違っているのじゃ。しかし好みと云うものも、万代不変とは請合われぬ。その証拠には御寺御寺の、御仏の御姿を拝むが好い。三界六道の教主、十方最勝、光明無量、三学無碍、億億衆生引導の能化、南無大慈大悲釈迦牟尼如来も、三十二相八十種好の御姿は、時代ごとにいろいろ御変りになった。御仏でももしそうとすれば、如何かこれ美人と云う事も、時代ごとにやはり違う筈じゃ。