Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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びぜんめいきゅうでん

備前名弓伝

山本 周五郎

Leggi 備前名弓伝 (びぜんめいきゅうでん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.649 caratteri · 50 schermate

Aozora Bunko

五

それともやはり命矢は持たぬと云われるか」「……されば」三之丞にやっと笑いながら、

「やはり一矢で御相手をいたしますな」「なに一矢。それでは貴殿の一矢を、拙者に斬って落すことができぬと申すのだな」「……されば」「面白い、これは面白いぞ」幸之進は蒼くなった。とても面白いなどという顔付ではない。額へ青筋を立て、拳を膝に突き立てながら、

「拙者は一刀流の剣を以てお召し出しにあずかった者だ、貴殿の一矢を斬って払えぬと云われてはお上へ申訳が相立たぬ、ぜひとも実地に勝負を仕ろう」「まあ待たれい滝川氏」「いや、お止めだて御無用、武道の意地でござる、御止めだて御無用」「ではあろうが酒席の口論、まずここはさように荒立てんで」左右から止めにかかると、上座に黙って聴いていた伊木長門が、「ええなにを止めるのだ」と、一同を逆に制した。

五

その日はそれで別れた。翌日、滝川幸之進から日と場所を定めてきた。日は三日後、場所は城外鉄砲的場、刻限は朝十時ということである。……評判の長門がやれやれとけしかけたのだから、今更仲裁をすることもできないが、誰か止めたらよさそうなものだがと案じている。