Classici giapponesi con furigana
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えんちょうのぼたんどうろう
円朝の牡丹灯籠
田中 貢太郎
Leggi 円朝の牡丹灯籠 (えんちょうのぼたんどうろう) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7815 caratteri · 16 schermate
「そうじゃない、俺の首だよ、何処にも傷が附いてやしないか」
「じょうだん云っちゃいけませんよ、何で傷がつくものですか」
やがて新三郎は船を急がせて帰って来たが、船からあがる時、
「旦那、こんな物が落ちておりますよ」
と云って、伴蔵のさしだした物を見ると、それはさっき夢の中でお露から貰った彼の秋草に虫の象眼のある香箱の蓋であった。
二
新三郎は精霊棚の準備ができたので、縁側へ敷物を敷き、そして、蚊遣を焚いて、深草形の団扇で蚊を追いながら月を見ていた。それは盆の十三日のことであった。新三郎はその前月、久しぶりに尋ねて来た志丈から、お露が己のことを思いつめて、其のために病気になって死んだと云うことを聞いたので、それ以来お露の俗名を書いて仏壇に供え、来る日も来る日も念仏を唱えながら鬱うつとして過しているところであった。
と、生垣の外からカラコン、カラコンと云う下駄の音が聞えて来た。新三郎はやるともなしに其の方へ眼をやった。三十位に見える大丸髷の年増が、其の比流行った縮緬細工の牡丹燈籠を持ち、其の後から文金の高髷に秋草色染の衣服を著、上方風の塗柄の団扇を持った十七八に見えるな女が、緋縮緬の長襦袢の裾をちらちらさせながら来たところであった。