Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate

Aozora Bunko

しかるに蝮は逃ぐる事遅いから英国労働者などこれを聾と見、その脊の斑紋実は文字で歌を書いて居るという。その歌を南方先生が字余り都々逸に訳すると「わが眼ほど耳がきくなら逃げ支度して人に捉られはせぬものを」だ。鶯も蛙も同じ歌仲間というが敷島の大倭での事、西洋では蝮が唄を作るのじゃ。蛇は多く卵で子を生むが蝮や海蛇や多くの水蛇や響尾蛇は胎生だ。『和漢三才図会』に蝮の子生まるる時尾まず出で竹木を巻き母と子と引き合うごとく、出生後直ぐに這い行く、およそ六、七子ありという。ホワイトの『セルボルン博物志』には、蝮の子は生まるると直ぐ歯もないくせに人を咬まんとす、雛鶏趾なきに蹴り、羔と犢は角なきに頭もて物を推し退くと記した。いわゆる蛇は寸にしてその気ありだ。蟾蜍など蛙類に進退究まる時頭を以て敵を押し退けんとする性あり。コープ博士だったかかくてこの輩の頭に追々角が生える筈といったと覚える。支那の書に角ある蟾蜍の話あるは虚構とするも、予輩しばしば睹た南米産の大蛙ケラトリフス・コルナタは両眼の上に角二つある。それ羔犢角なきに衝く真似し歯もなき蝮子が咬まんとするは角あり牙ある親の性を伝えたに相違ないが、件のコープの説に拠ると、いずれも最初に衝こう咬もうという一念から牛羊の始祖は角、蝮の始祖は牙を生じたのだ。