Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate

Aozora Bunko

一切外を覗かず物音せず、外の見えぬようにして夜明けを待つ。島の伝説に、昔泉津の代官暴戻なりし故、村民これを殺し、利島に逃れしも上陸を許されず。神津島に上ったので、その代官の亡霊が襲い来るというのだが、どうも要領を得ぬとある。吾輩一家でさえ、父の若い時の事を、父に聞いても分らぬ事多く、祖父の少時の事を、祖父に聞くと一層解しがたく、曾祖高祖等が履歴を自筆せるを読むに、寝言また白痴のごとき譫語のみ、さっぱり要領を得ぬが、いずれも村の庄屋を勤めた人故、狂人にもあるまじ、その要領を得がたきは、彼らが朝夕見慣れいた平凡極まる事物一切が、既に変り移ってしまったから、彼らが常事と心得た事も、吾輩に取っては稀代の異聞としか想われぬに因る。

一九〇三―四年の間、グリーンランドのエスキモ人の中に棲んだ、デンマルク人ラスムッセンの『極北の人民』を読むに、輓近エスキモ人がキリスト教に化する事多きより、一代前の事は全く虚誕のごとく聞えるが、遺老に就いて種々調べると、欧人が聞いて無残極まり、世にあり得べからずと思われる事や、奇怪千万な行いなどは、彼らに取ってはありふれた事で、欧人が聞くに堪えぬと惟う話のその聞くに堪えぬところが、彼らのもっとも面白がるところである。