Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate

Aozora Bunko

既に一昨年末アッケルマンてふ学者が『ロメオとジュリエ』の「一の火は他の火を滅す」なる語は、英国に火傷した指を火を近づけて火毒を吸い出さしむる民俗あり、蝮に咬まれた処へその蝮の肉を傅けて治すような同感療法じゃ。また「日は火を消す」てふ諺もある。沙翁はこれらに基づいて件の語を捻り出したものだろう。このほかにしかるべき本拠らしいものあらば告げられよと同好の士に広く問うたが、対うる者はなかったから予が答えたは、まず日月出でて※火息まずと支那でいうのが西洋の「日は火を消す」と全反対で面白い。さて『桂林漫録』に日本武尊駿河の国で向火著けて夷を滅ぼしたまいし事を記して、『花鳥余情』に火の付きたるに此方よりまた火を付ければ向いの火は必ず消ゆるを向火という。そのごとく此方より腹を立て掛かれば人の腹は立ちやむものなりとあるを引き居る。今も熊野で山火事にわざと火を放って火を防ぐ法がある。予は沙翁がこれら日本の故事を聞き知ってかの語を作ったと思わぬが、同様の考案が万里を距てた人の脳裏に各の浮かみ出た証拠に聢と立つであろうと。かく言い送って後考うると、仏説の悍馬は悍馬を鎮めた話もやや似て居るを一緒に言いやらなんだが遺憾だ。