Classici giapponesi con furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate
昔アラビヤのアブ・ハサンてふ者カウカバン市で商いし大いに富んだが、妻を喪うて新たに室女を娶り大いに宴を張って多人を饗し、婦人連まず新婦に謁し次にアを喚ぶ。新婦の房に入らんとて恭しく座を起たんとし、一発高く屁を放ってけり。衆客彼慙じて自殺せん事を恐れ、相顧みてわざと大声で雑談し以て聞かざる真似した。しかるにア、心羞ずる事甚だしく新婦の房へ入らず、厠に行くふりして庭に飛び下り、馬に乗って泣きながら走り出で、インドに渡り王の近衛兵の指揮官まで昇り、面白可笑しく十年を過した。その時たちまち故郷を懐うて死ぬべく覚えたので、王宮を脱走してアラビヤに帰り、名を変じ僧服し徒歩艱苦してカウカバン市に近づき還った。ここを去って久しくなるが、今も誰か己の事を記憶し居るかしらと惟うて、市の周辺を七昼夜潜み歩いて聞き行くうち、とある小家の戸口に坐った。家裏で小女の声して自分の年齢を問う様子。耳を聳て聞きいると、母答えて汝はちょうどアブ・ハサンが屁を放った晩に生まれたと言うを聞きて、さてはわが放屁はここの人々が齢を紀する年号同然になりおり永劫忘らるべきにあらずと、大いに落胆して永く他国に住まり終ったという。