Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

「池上、兵頭、戻れ」

「由利が殺されました」

兵頭が、馬の横から、蒼白な顔で、見上げた。

「何処に」

「谷へ、斬落されました」

「誰に?」

「山内に――」

「総て、戻ってから聞こう。戻れ、皆戻れっ――何を、愚図愚図する。戻らぬと、おのれら、厳重に処分するぞ」

「池上――おお、無事か、新納様――」

「お前は?」

「加治木玄白の門人、和田仁十郎と申しまする」

「加勢か」

「いいや、師の仰せにて、押えに参りましたが、無事の体にて――」

「そうか、わかった。玄白に、新納が静めたと申しておけ、御苦労。池上、兵頭、拙者と同道せい」

「はい」

新納は馬を廻した。

「同志の名は、明かすまいぞ」

「うん」

と、いった時、板戸が、埃と一緒に軋って開いた。

「池上――出ろ」

池上は、声に応じて立上って、ずかずかと、その侍の方へ歩み寄った。薄暗い廊下に、もう二人の侍が立っていた。

「ついて参れ」

廊下の突当り、中戸を突きあげると、履脱に、庭下駄と、草履とが並んでいた。人々が、庭下駄を履いたので、池上がその上へ足を下ろすと

「草履だ」

と、背を突いた。

「何?」

池上は、振返って、睨みつけた。

「草履を履くのだ」