Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
「お話し申さんと、判りにくうござんすが」
薄暗い家の中から、小藤次が、じっと、深雪を眺めていた。そして
「庄公、一寸」
庄吉は、ちらと振向いて
「ええ、すぐ、後から――」
そして、深雪に
「今の、御存じですかい」
深雪は、家の中へ振返った。小藤次と、眼が合った。
「いいえ――彼処は、お由羅様の、御生家でござりましよう」
「ええ、今のが、兄貴の、岡田小藤次利武でさあ」
深雪は、もう一度、しっかりと顔を見ようかとも思ったが、汚らしいものを見るような気がした。
「話さんと判りませんが、あっしゃあ、実は掏摸でござんしてね」
「掏摸?」
「巾着切り、人様の――」
深雪は、傘と、身体を、庄吉から放した。庄吉は、周章てて、手を振りながら
「ここから、話さんと、よく判りゃせん。お嬢さん、掏摸は、悪者じゃあござんせんよ。小藤次なんかと一緒になすっちゃ――お兄さんとは、一方ならん関係のある、あっしで、こと細かに、今、申し述べやすがね、この手を」
といって、片手を、懐から出した。大きく布で手首を包んであった。
「こいつを、お嬢さんの、兄さんが、折ったのでござんすが、こいつあ、確かに、あっしが悪かったんでげす」