Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

石垣、その上に、その横に連なっている柵、高札場が見えた。門は、まだ開かれていた。

面番所前の飾り武器、周章てて門を出て来る旅人。

(間に合った)

と、益満が思った瞬間、二人の足軽が、急ぎ足に門へ近づくと、扉へ手をかけた。

「待てっ」

と、益満が叫んだ。だが、門は、左右から、二人の足軽の手で閉りかけた。

「急用だっ」

益満が門へ着いた瞬間、門が閉まった。

「急用じゃ。済まぬが、開けてもらいたい」

益満は、柵の間から、足軽へ頼んだ。足軽は、門を押えたままで

「公用か」

「公用ではないが――」

足軽は、黙って、閂を入れた。

「命にかかわる事じゃから」

足軽は、返事もしないで、錠をかけ、鍵を持って去ってしまった。益満は、すぐ踵を返した。

関所手前の旅宿は二軒しか無かった。二軒とも、小さくて汚かった。軒下の常夜燈の灯も、薄暗くて、番頭も、女中も、無愛想で、足早に近づく益満へ

「お泊りかえ」

と、眠むそうにいっただけであった。

「今しがた、女が二人、着かなんだか」

女中は、首を横に振った。

「三人連れで、一人は侍、二人は商人風の者は?」

女中は、番頭を振返った。

「その方なら、ただ今、お着きになりました」