Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
追手だの、伏勢だの、役人だの、いろいろの者が、自分達の周囲に潜んでいるようにも感じた。七瀬は、二人の侍を、敵党の者と知って、仙波父子二人が遅れて来ると、欺いたが、うまく欺きおおせるか、もし自分等二人と落合うものと信じて、もし、ここを離れなかったなら? それが偽りとわかった時、自分達は、何うなるか?
八郎太と、小太郎とが、馬に乗って走っているのを描いた。夜道の雨の中を、強行して行く姿を想像した。そして
(無事で、牧を探してくれますよう)
と、誰に、祈っていいかわからない祈りを捧げた。
(もう一度、逢えますよう。無事な顔が見られますよう)
もう一度、夫の顔、子の顔が見られたなら、もう二度と、こんな未練な心は起さないと誓った。四ツ本が、玄関へ来てからの、急な追放、ろぐろく口も利かぬうちに、闇の中で別れてしまったことが、幾度、思い直してみても、悲しかった。
(こんな雨の夜、川止めの日、ゆっくりと、別れの言葉を交したなら――)
と、思うと、しとしと降っている雨の音までが、自分等を、悲しませたり、羨ませたりしたさに、降って来たもののように感じられた。
「綱手、考えても無駄じゃ。