Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

「禁?」

「禁を御存じないか」

「禁って、何事でござる」

「奥へ、男子入るべからずの禁じゃ」

「ああ、その禁か」

「出られい」

と、いうと同時に、肩を掴んで、柴折戸の方へ捻じ向けられた。

(何んて力だろう)

小藤次は、その力に、気圧されて、一足歩いた。

「二度と、踏み入ると、許しませぬぞ」

小藤次は、ゆっくり、歩きながら

(深雪は、何うしたかしら――何うするだろう。うっかり、こんな時に、出て来て見咎められたら――深雪の、見咎められるのはいいが、もし、俺と、逢引するために、などと白状でもしやがったなら、お由羅め、何んといって怒るかもしれぬし――身の破滅って、奴だな)

小藤次は

「忍ぶ恋路の、さて果敢なさよ、か。果敢なさすぎらあ、畜生っ」

寂寞な闇の中に、微かに祈祷場からの鈴の音が、洩れて来た。風が梢を渡って、葉ずれの音がした。

「は、はっくしょっ」

小藤次が、くしゃみをすると同時に

「静かにせんか」

と、さっきの侍の声が、後方でした。

「へいへい、出物、はれ物ってことがあらあ。済みません、ってんだ。あっ、はっくしょいっ」

と、いった時、遥かに、広縁で、とんとん板を叩く、微かな音がした。