Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
と、咽喉まで声の出ているのを我慢していた。名越は一礼して出てしまった。
「そこで――この写真だの、電信機などの出来たのは、何んの力かと申すと、理化学によってじゃ。理化学と申す学文は、仮えば、水は何から出来ているか、ということを研究する」
「水は、水からではござりませぬか」
「誰しもそうとしか思えぬ。然し、紅毛人達は、水の無いところに、水のたまるのへ眼をつけた。仮えば、煙管の中に、水がたまる。煙と、火ばかりで、水の縁が無いのに水ができる。これは、何故であろう?」
「唾気がたまるのでは――」
「唾ではない」
と、斉彬がいうと、二三人が
「それが、何故に水がたまります」
と、口をそろえた。
「それで、いろいろと実験した結果、水は、水素と、酸素と申すものから、成立っているということが判った」
「はあ」
一人の若者は、熱心に斉彬の顔を凝視して、呻くように答えた。
「酸素と申すものは、どういう形で」
「形は無い」
「色は」
「色も無い」
「臭は」
「臭も無い」
「はて、屁玉より掴みどころのない――」
人々は、笑った。だが、その若者は、真面目な顔で
「どうしてそれが判りましょうか」
「詳しいことは、皆方喜作に聞くがよい。