Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
その土堤続きの柵の中に、大砲と、弾薬とがあった。高木と、和田とは、その土堤に沿うて、歩いていた。和田が
「油断は、ならんぞ」
「うむ。然し、もし、洩れてでも居たなら、郷田から、今朝の内に、何んとか知らして来る筈だ」
二人は、暮れかかろうとする、淋しい道を、急いでいた。雲は、落陽で、上を真赤に、下を、どす黒く、不気味に、染めていた。桜島は、すっかり暮れたらしく、暗い色をしていた。
土堤沿いに行って、角を曲ると、すぐ松の木の間に、黒い門と、黒い柵とが、見えた。そこが、入口であった。二人が、門の右手の、くぐり戸を押すと
「誰だ」
と、中から咎めた。和田が、一足引いて、柵の間から、顔を見たが、知らぬ士であった。高木は、押しても開かないくぐりを、叩いて
「郷田はおるか?」
「ああ、今、開ける」
鍵の音がして、内部から、くぐりが開いた。二人が頭を低くして入ると、側の小屋の中にも、見慣れない士が三人土間にいて、二人が入って来ると、急に話をやめた。
「何処にいる?」
「案内仕ります」
二人の士が、先にたった。轍の跡が入り乱れている道であった。その小さい原を横切って行く行手に、もう一つ木柵が引廻されていて、その中に、詰所と、白い庫とが、並んでいた。