Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

と、思って、不安そうに、百城の眼から、何かを読もうと、見つめていると

「綱手は――」

七瀬は、百城の、いい渋っているのに、腹が立って来た。

「急ぎますゆえ、これにて――」

と、お叩頭をして

「川上矢五太夫様の許におりますから」

と、いいすてて歩きかけると

「綱手殿は、お果てになりましたぞ――」

百城の言葉は、かすれていた。七瀬が、顔色を変えて、振向くと、百城が、赤い顔をして

「許して下され」

と、低く叫んで、馬の首へ、俯向きながら、手綱を引き、足で蹴って、急いで、馬を返しかけた。

「綱手が」

と、七瀬は叫んだ。百城は、俯向いて

「拙者の手にかかって――」

と、いいながら、向き直った馬に角を入れた。

「綱手は――死にましたか?――百城様」

七瀬は、こう叫んで、二三歩、馬の方へ馳せ寄ったが、馬は、走り出していた。七瀬は、暫く、じっと立っていたが、すぐ、国分の家の方へ走り出した。蒼白な顔になってしまっていた。

川上、川北の二人の、硬直な裁許掛が、伊集院平の命令を聞かなかったので、同じ掛の三原喜之助の手から、処分の伝達が、斉彬派の人々の許へなされた。

お由羅派の人々は、そうした処分が行われると知って、喜んだり、眉をひそめたりしていたが、それでも、万一のことを考えて、邸の周囲を見廻ったり、隣りの斉彬派の人の行動をうかがったりし