Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

「判らぬことはないが、家のことに、かまう暇がない」

「命が失くなって、天下のために計れるか」

「命は、天でないか」

「もういわぬ。これだけ申せば、お身に判らん筈はない。身は、身で、処置をする。もし、御意に逆ったなら、交りを絶つも、よろしい。御暇しよう」

「ふむ――」

斉彬は、腕組をして

「よく、考えておこう」

宗城は、立上りかけて

「いつもの、明断に、似ぬではないか」

と、いってから、立上った。

「困ったことになったわい」

斉彬は、こう呟いて

「父上の、お戻りを待って、よく、談合してからに――」

と、宗城を見上げた。

「明断、明断」

と、宗城は、振向きもしないで大声でいった。斉彬は、鈴の紐を引いてから、静かに立上った。宗城が、案内もまたずに、出て行った。一人の近侍が、入って来て、斉彬が考えながら、坐っているのを見て

「何か、お争いでも――」

「いいや、わしの心の中での――」

「勝様、お待ちでござります」

と、答えると、宗城を、見送るため、それから、待っている勝安房に逢うため、立上った。

「封襲した上は、近々、帰国せずばなるまい。帰国の上は、海防のことも、心のままにならずと、心痛しておったが、貴殿の御意見を聞いて、大いに、安堵致した。