Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
から見られても、仕方あるまい)
そう思っている時、侍女が、黒塗の浅い器と、薩摩紅硝子のコップとを持って来た。別の女が、同じ塗の桶に入れた水と、手拭と、房楊枝とを持って来て、枕頭へ置いた。
「よし、わしがする」
と、斉興が、手を振った。そして、起き上って、房楊枝をとった時、お由羅と、将曹とが入って来た。
「早朝から――急用か」
「はっ」
将曹は、敷居際へ平伏してから、枕頭へ出て来た。
「何んじゃ」
斉興は、房楊枝をつかいながら、聞いた。お由羅が、コップに水をとった。
「処分すべき人は、悉く、処分を終りましたが、井上出雲が、唯一人、捕まりませぬ」
「引渡さんのか?」
「何んと掛合いましても、福岡では、知らぬと突張っております。それのみでなく、宇和島殿と共に、閣老を動かして、いよいよお上の御隠居を、強制するようでござります」
「強制?」
と、云って、唾を吐き、水で漱ぎ終った斉興が
「わしにも、それなら手段がある」
お由羅が、長煙管を、斉興に差出した。
斉興は、それを吸いながら
「第一、無理に押しつけられる性のことではなかろうがな、将曹」
「それが――例の、密貿易の書類、あれで、詰腹を切らそうと、某は、そう観ておりますが――」