Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
泥棒なら、捕まえて袋叩きにしてもよかったし、巾着切なら、掏られた奴が、虫の好く奴か、好かん奴かによって、追っかけて、取戻してやってもいい、と、若い衆は、考えていた。そして、周章てて、走って行く町人を見ると
「いい齢をしやがって、掏られる奴は、べらぼうってんだ」
と、呟いて――それでも、何か起るか、興味をもって、眺めていた。往来の人々が、町人と一緒になって走ったり、佇んだり――街は、足音と、どよめきとで、騒がしくなりかけた。
(吉め、早く、逃げりゃいいのに――)
庄吉は、振向きもしないで、落ちついて行く吉松に、感心をしたり、心配をしたりしながら、走って行った。
「待てっ」
町人が、叫んで、吉の肩を掴んだ。二三人が、二人の側へ立った。庄吉が、袖をひらひらさせて近づくと
「返せっ」
と、町人が、半分の恐怖と、半分の薄気味悪さとで、こういうと、吉は、にやりと笑って
「これかい」
懐中から、大形のいんでんの懐中物を取出して
「気をつけな」
と、云って、町人の足下へ、ぽんと、抛げ出した。そして、四方の群集へ
「何い、見てやがる」
と、云って、睨みつけた。群集が、さっと開いた。