Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
「わしに、力を貸せ、と申すのか」
「はい」
と、答えて
「悪うござりますか」
「悪い」
深雪の眼に、険しい表情が閃いた。だが、すぐ、その眼を、膝へ落して
「もし、二人に、万一のことが、ございましたなら、妾ら二人は、あれだけ世話になっておりまして、世間へ、顔向けができませぬ」
「何故、月丸を討つ?」
「姉の仇敵でござります」
「妹の仇敵を、兄が討てるか。仇敵討の法に、目下の仇敵を討つことは、禁じてあるぞ」
「はい」
深雪は、暫く、黙っていたが
「妾が、討ちます」
顔色が、少し、蒼白めていた。
「成る程」
と、義観が、笑って
「えらい」
深雪は
「討てぬかもしれませぬ。その時は――」
と、云って、両手を、義観へついて
「父と共に、埋めて頂きとう存じます」
「ああ、よいとも」
義観が、頷いた。
「お兄様、お別れ申します」
小太郎は、何んともいわずに、腕組をしていたが
「脇差を持って参れ」
と、云って、佩していたのを、手渡した。
「有難う存じます」
深雪が、立上った。義観が
「やれ、今日は、念仏に、忙がしいぞ」
と、呟いた。深雪は、縁側へ出て、左の方を、じっと、眺めていたが、裾を折って、帯へはさんだ。