Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

と思った時

「庄吉」

と、南玉の声がした。

(若旦那の言伝けでも聞いて来たんじゃあねえか――)

庄吉が、立止まった。南玉は、深い草の中を、裾まくりしつつ、近づいて来て

「居ねえの」

「うむ」

「戻って、お前、待つことにしたら」

「あの坊主、何を、抜かしゃあがるか、行きどまりだって、何処が、行きどまりだ。あれが、大旦那様の墓だろう」

庄吉が、指さした。

「あれかい」

「墓だろう」

二人が、じっと、眺めた時、墓の下から、人影が、さっと、立った。南玉が、一足退った。庄吉が、短刀を握りしめた。そして

「畜生っ、びっくり――」

と、呟きかけて

「月丸だ」

と、云った。若い侍姿で、いい男らしかった。

「告げて来よう」

南玉が、囁いて、庄吉の袖を引くと、月丸が、じっと、二人の方を見た。

「野郎――墓へ詣ってたんだぜ」

「じゃあ、月丸と、ちがわあ」

「若い、いい男だぜ、師匠」

「だって、お前、月丸が、大旦那の墓へ、参るかえ」

「そうだのう――あれえ、泣いてるぜ。あの眼――」

月丸は、俯向きつつ、歩みだした。

「聞こうじゃあねえか」

「ちがうよ、よしな」

南玉が、袖を引いた時、後方から、草に摺れる音が、近づいて来た。