Classici giapponesi con furigana
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
Leggi 単独行 (たんどくこう) di 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.799 caratteri · 222 schermate
まだまだ夜は明けそうにない。コッヘルで熱い奴をこさえてカロリーをとり、もう一眠りしようと思って雪に埋れた道具を掘り始めた。そしてやっとコッヘルは掘り出すことができたけれど、どうしたものかアルコールを入れた缶が見つからない、こうした物は一揃いにし袋に入れておけばよかったと思ったが仕方がない。八方手をわけて探したが無駄であった。このときはさすがにがっかりした。眠れないままこれから先のことについて吉田君と相談する。僕は「尾根にはまだ悪いところがありそうだから吹雪の止むまでここで待つか三、四のコルまで引返そうではないか」というと、吉田君は「もう一晩もこんなところにはいたくない、どんなことがあっても今日中に小屋へ帰ろう、悪いところはみんな自分が頑張るから」と。
そうだ、この意気だ、この意気があればこそ山登りに成功するのだ。どんな悲境に立とうとも決してこの意気を失ってはならない。世には往々ほんの僅かの苦しみにもたえず、周章狼狽、意気沮喪して敗北しながら、意思の薄弱なのを棚に上げ、山の驚異や退却の困難をとき、適当な時期に引揚げたなどと自讃し、登山に成功したのよりも偉大な如くいう人がある。