Classici giapponesi con furigana
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
Leggi 単独行 (たんどくこう) di 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.799 caratteri · 222 schermate
ガレ道の下りなかなか困難、数時間にして前穂高着(地図の穂高)。展望台の壊れたるあり、三角点にて万歳三唱、名刺を置き、名刺入の缶の中を見れば矢沢氏(アルプスの本著者)等の名刺発見せり。二時間ほど霧の晴れ間を待つ、唐沢、上高地、明神方面ときどき見え痛快。なかなか霧晴れざる故あきらめ四時頃下山、乗鞍御岳の雄峰前に見、眺望よし。途中道瞭らかならず偃松等をわけ、あるいは水の流れるところ等を下る、なかなかはかどらず。されば谷を下ればよしと思い雪渓に出ずれば非常に急にして恐ろし、尻を着けアイスピッケルを股いで滑れば、はっと思う間に非常な速度にて滑り出し、止めんとすれども止らず、アイスピッケルにて頭等を打ち、途中投出され等して数町を下りたり。そのときもう駄目なりという気起り気遠くなる思いなり。岩にぶつかるならんと思い少し梶をとりようやくスロープ緩きところに止り幸いなりき、あやうく命拾いしたり。それよりアイスピッケルを取りに行く困難言葉に表わされず、小石を拾いてそれにて足場を作り一歩一歩進む。手の指かじかみ足また凍えて苦しきことかつて知らず。ようやくピッケルを取りたるときの嬉しさ例えんに物なし、それより尾根へ取付き相当苦しきところを下る。