Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あづまばし

問はずがたり・吾妻橋 他十六篇

永井 荷風

Leggi 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.586 caratteri · 159 schermate

Aozora Bunko

今夜アいつもより早かないか。

鈴代 早いかも知れないわ。宵の口に狩込があったらしいんだよ。こんな晩はどうせろくな事アありゃしないからね。好加減にして切上げてしまったのさ。

おでんや 今夜はこの辺も馬鹿に静だよ。景気のわるい晩はどこも同じだと見えるな。

鈴代 お天気も毎日毎日はっきりしないわね。

おでんや 一日いいかと思うとすぐまた降りだからね。今夜アおいらもそろそろ仕舞おうかと思っていたのよ。ハイお茶。ぬるいかも知れねえよ。

鈴代 ありがとう。(ト一口飲み)ぬるいわ。もう少しわかしてよ。

ト茶を捨る。この前より第一場の斎藤下手より出でそっとあたりの様子を窺い上手へ行きかけ、鈴代の捨てる茶をズボンに掛けられ、

斎藤 おい、気をつけろ。

鈴代 アラ、御免なさい。

ト二人顔を見合せ、

斎藤 鈴坊じゃねえか。

鈴代 アラ斎さん。まア久振ねえ。どうして。

斎藤 どうもしねえよ。相変らずだ。(ト鈴代の様子を眺め、)お前も相変らずらしいじゃねえか。

鈴代 そうよ。今時分こんなとこうろうろしてるんだから。気まりが悪りいわ。

斎藤 それァおれの方で言うこった。あの時分にゃ、お前にもとんだ心配をさせたが、やっぱりヤクザは止められねえのよ。