Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate

Aozora Bunko

「検事さん。実はカーテンは両方とも閉っていたんですが、部屋の中が暗いものですからさっき私が開放させたのです。しかし現場見取図や写真などには、ちゃんとカーテンが閉っているところが記録してあります。ただ、そのことをちょっと検事さんにお話することを失念していました。どうか一つ……」

警部は軽く頭を下げた。検事は苦がい顔になって、警部を一瞥した。

「私が来るまでは、現場はすべてそのままにしておいて貰いたいね」

「はあ。失礼しました。しかしカーテンを開かないと取調べにあまり暗かったものでございますから……」

警部は弁解をしながら顔をふくらませている。

「するとあの窓はどうだね。開いていたのか閉っていたのか」

検事は色をなして開いている左の窓を指した。

「私は窓には指一本触れていません。さっきごらんになりました現場見取図にも、あの窓があの通り明いていたことはちゃんと出て居ります」

「図面は見ているが、ちょっと君に確めてみたかっただけのことだ」

その家政婦が、突然きゃっと叫んで、後へ飛びのいた。同時に驚いた検事と警部の鼻さきへ、紐に結えて吊下げられた大きなどぶ鼠がゆっくりと出て来た。