Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
Leggi 地獄風景 (じごくふうけい) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 53.774 caratteri · 108 schermate
「大野さんじゃなくって?」
声をかけると、先方の足音がピッタリ止った。覗いたとて見えぬけれど、木の葉の層の事故、声はよく聞えるのだ。
「折ちゃんかい」やっぱり大野雷蔵だ。
「エエ、そうよ。あたし道に迷っちゃって」
「ウン、僕もさっきから、何だか同じ所をグルグル廻っている様な鹽梅だよ。……君こちらへ来られない?」
「駄目よ、行こうと思えば、却って離れてしまうばかりだわ」
事実、声する方へ曲って行くつもりでも、道は気違いの様に、突拍子もない方向にそれているのだ。
「でも、行って見るわ。あなたも、こちらへ来られなくって?」
そこで、二人はてんでんに、現に一尺とは離れず話し合っている、相手のありかを探す為に出発した。そして、案の定、お互に近づこうとあせればあせる程、いつしか、声も聞き取れぬ程遠ざかって行った。
折枝はもどかしさ、不気味さに、汗びっしょりになって、当てどもなく、同じ細道をテクテク、テクテク歩いていた。まだ上げている花火の音が、忘れた頃に、ドカーン、ドカーンと、彼女の心臓を飛上らせた。
暫くすると、彼女はハッと息を飲んで立止った。妙な音を聞いたのだ。耳鳴りではない。