Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
お松はそれで身構えをしました。がんりきをさえ取って押えるくらいの者に、自分が身構えをしたところで甲斐のないこととは思ったけれど、それでも身構えをしていると、その者はすぐに近寄っては来ないで、そこへ蹲って、カチカチと燧を切りはじめました。そしてその火を小田原提灯にうつしていることがよくわかるのであります。
提灯をつけられてはたまらない、もう絶体絶命と思って、お松はその提灯の光を慄えながら見ていると、意外にもその提灯の光にうつる人の面は見たようなと思うも道理、それは今日、猿橋の宿から、この上野原まで自分をのせて来た馬子でありました。この馬子を見た最初にがんりきは逃げ出してしまいました。この次に逢った時は取って押えてやると言っていました。昨夕あの宿へ自分を送りつけた後は、鳥沢とやらへ帰ってしまったものと思っていたら、まだあの宿に泊っていたものらしい。
「どうなさいました、怖い者ではござらぬよ」
馬子は提灯をさしつけて、お松の隠れている木下闇を照しました。お松の足は、ひとりでにその木下闇から離れて、馬子の提灯の方に引き寄せられました。
この時に、がんりきはどこへ行ってしまったか、姿も形も見えません。