Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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てんしゅかくのおと

天主閣の音

国枝 史郎

Leggi 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.941 caratteri · 79 schermate

Aozora Bunko

さぞ喜ぶかと思いの他、香具師は迷惑そうな顔をした。

「ご領主様のお召しとあっては、お断わりすることも出来ますめえ。だが条件がございます。先ず扮装は此儘の事。次に言葉も此儘のこと、どうも坐ると足が痛え、で、胡座を掻かせて下せえ。それから話は直答だ。これで可ければ参りやしょう」

これには九兵衛も驚いて了った。一旦城へ引き返し、宗春侯の御意を訊いた。

「名人気質、却って面白い。かまわないから連れて参れ」

そこで九兵衛はかしこまって、ふたたび香具師を訪れた。

「へえ然うですかえ、感心だなあ。流石はご三家の筆頭だ。どうもお心の広いことだ。ようがす、夫れじゃァ参りやしょう」有り合う布呂敷へ模型を包んだ。「こいつあ殿様へのお土産だ。喜んで下さるに違えねえ。只の模型じゃァ無えんだからな」ヨイショと背中へ引担いだ。駕籠へ乗れと進めても、いっかな香具師は乗ろうとしない。表門からは通せない裏門へ廻われと九兵衛が云うと、香具師は不機嫌な顔をした。

「不浄な人間じゃァあるめえし、なんで裏門から通るんですい。面倒臭えなあ俺は帰る」

とうとうこんなことを云い出して了った。そこで玄関から上ることにした。