Classici giapponesi con furigana
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てんしゅかくのおと
天主閣の音
国枝 史郎
Leggi 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.941 caratteri · 79 schermate
決して云いふらしゃァしませんよ。……尤もこいつを云いふらしたひにゃァ、日本国中大騒動だ。煙硝蔵が開かれる。鎧甲が櫃から出る。旗指物が空に舞う。矢弾がヒューヒュー空を飛ぶ。ワーッ、ワーッと鬨の声だ。江戸と名古屋と戦争だ! おっとドッコイ云い過ぎた! そこまで云うんじゃァ無かったっけ。……が。併しだねえ殿様、芝居は止めようじゃァございませんか。刀は鞘に納めた方がいい。お互いその方が安穏でげす。但しほんとにお切んなさるなら、わっちの方にも覚悟がある。やみやみ殺されはしませんよ。と云うのは此機械だ」
透視光をポンと投げ出すと、布呂敷包へ手を掛けた。取り出したのは鉄製円筒、一本の管が付いていて、横手に捩が取り付けられてあった。
「即ち孔明水発火器! 捩を捻ると水が出る。が、只の水じゃァねえ。火となって燃える大変な水だあの赤壁の戦で、魏の曹操の水軍を焼討ちにしたのも、此機械だ! さあ切るなら切るがいい。切られた途端に捩を捻る。一瞬の間に大火事だ! 結構なお城も灰燼だ。お前さんだって黒焦げだ。家来方は云う迄もねえ、可愛いお神さんもお坊ちゃんも、無惨や無惨や白骨だ! さあ切るならお切りなせえ……考えて見りゃァ脆えものさ。