Classici giapponesi con furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate
捻りを戻して、フラフラと昔のような心持になってしまいました。出入の者を頼んで、
「幾らでも構わないからあの人形を売ってくれるように」
という掛け合い、これは問題じゃありませんから、剣もほろろに断ってしまいましたが、一度や二度断られて引っ込む相手ではありません。若主人の佐吉は、日に何杯も何杯も入れ換える見物の中に交って、幾度も幾度も小紫人形の前に立たなければ承知しないという執心です。
もう一つ、これは四、五日経ってから気の付いた事ですが、小紫人形の側に居る人形は、夜の間にキッと怪我をさせられて居ります。特に男人形がヒドク、或は腕を折られたり、足を折られたり、中には鼻を削がれたり首を折られたりする有様。
其の都度、木戸番の八が飛んで来て、
「親分、大変、今度は花見人形の侍がやられましたぜ」
「何んだと」
「ありゃ親分、人形同士が嫉妬を焼くんだ、その証拠には、小紫人形の側に居る男人形が、キッとやられますぜ」
「そんな馬鹿な事があるものか。左甚五郎作じゃあるめえし」
「何しろあんなに美しいんだから、それ位の奇瑞があったって不思議はねえ」
「馬鹿野郎、人形の評判を取るのは悪くねえが、手前までそんな事を気にしちゃ、小屋の者が心細がって叶わねえ。