Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate

Aozora Bunko

最早、二人を救う道はありません。北見之守の刃が、お金のふくよかな脛を劈くのが先か、家来達の刃が、左馬之助を膾にするのが先か。――と思う時。

「わッ、助けッ」

「あれーッ」

火の附くような悲鳴が、三艘の船から一斉に爆発しました。

「蛇だ、蛇だ」「助けッ」

見ると、水を渡って来た、幾百十条とも知れぬ蛇、大きいのは二間あまりの青大将から、小さいのは小指程の縞蛇まで、舷を這い廻って、船中隈なくのた打ち廻ります。

或る者は襟を這われ、或る者は懐を覗かれ、或る者は首に巻き付かれて、女子供は言うまでもなく、大の男の二本差も、この長虫の大襲撃に逢っては、まるで他愛がありません。

そのうちに一番大きい青大将は、梁を渡って紅の扱帯を伝わると、お金の首から胴へキリキリと巻き付いて、巨大な鎌首を擡げると、北見之守の方へ焔のような舌をペロリと吐きます。

この時北見之守の身体にも、五、六匹の蛇が巻き付いて、取っても、捨てても、むしっても、投げても及びません。

見る見る蛇は中央の一艘を占領して、北見之守をはじめ、妻妾も家臣達も命辛々、比較的蛇の襲撃の少ない、他の二艘に引き揚げたのが精々でした。