Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate

Aozora Bunko

「止せ止せ、見ちゃ居られない」

「馬鹿っ」

「何んと言う事だ、人道問題だぞッ」

嵐のように起る叫びの中から、

「一千円!」

誰やらが最初の値を付けます。

「二千円」

私はすぐ釣られて糶り上げてしまいました。

「二千五百円」

騒ぎはバタリと鎮まりました。斯うなるともう一切の感情を好奇心が併呑してしまって、しわぶき一つする人も無くなります。

「三千円」

私ももう負けては居られません。

「四千円」

響の音に応ずるように応えます。

相手というのは、部屋の中に居るのに、帽子を目深に引きおろした、二重廻し姿の中老人で、顔はよく見えませんが、何んとなく智慧と金とをフンダンに持って居そうな人間です。

「四千五百円」

「五千円」

部屋の空気はすっかり緊張して、マッチ一本摺ったら、此のまま爆発しそうな有様。

「一万円」

私は到頭二倍の値を付けてしまいました。

何んとなく息苦しい心持で、手袋も外套も脱いでしまいましたが、それが、決闘場に臨んだ勇士のように見えたのか、それとも亢奮して際限もなく糶り上げて行く気違いに見えたのか、兎に角、それっ切り相手は沈黙してしまいました。

妙子はモデル台の上に崩折れて「歎き」