Classici giapponesi con furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate
――私はハワイへ行った時、其の秘伝を独逸人のシャルクマン博士に教わったんです。だけど、この分身術は誰にでも出来るというものじゃない。矢張り天分よ」
あまりの奇怪な話に、私は多分口を開けたまま聴いて居たでしょう。
「ホ、ホ、ホホ、まア、何んてお顔でしょう。私はこの分身術を行って、本当の私は恋しい貴方の側に、影法師の私は、憎らしい丸茂を附け狙って居たんです。それだけの事よ。――さア、警察へ届けて入らっしゃい。警察が分身術や生霊を信用するか何うか、全く面白い問題だわ」
「…………」
「私は最初、丸茂を狙う道具に貴方を使ったけれど、お仕舞いには心から貴方を愛するようになってしまったワ。だけど、斯うなっては私達の愛もお仕舞いネ。ちょいと、素晴らしいカタストローフじゃなくって?」
礼子はスラリと立ち上りました。
「お待ち、もう少し話がある」
追いすがる私に意味の深い一瞥をくれて、逸早くも扉の外へ、その美しい姿を消してしまいました。
「左様なら、望月さん、永久に――」
「お待ち」
私は卓を乗り越えるように、外から閉された扉に飛び付きました。
気違い染みた焦躁に追い立てられて、扉はなかなか開きません。